私達が自身の健康維持のため年1回程度「人間ドック」を受けるのと同様、中小企業においても年1回「経営ドック」を受診し、経営の健康状態を社長が明確に理解して頂く事が経営支援の第一歩と考えます。
経営ドックにもとづく健康診断
直近2期のB/S、P/L、およびオーナーの所有財産総額の定量データに加え、承継者の有無や新市場進出や投資の意向といった定性データを社長に問診する事で、会社の健康状態と経営支援を受けるべき項目が明確化されます。
判定ロジックが設定されている(規定値の変更可)ので専担者も不要で経験の浅い担当者でも顧問先に的確なアドバイスが可能となります。
財務診断
直近2期(次年度は1期のみ)の貸借対照表および損益計算書および社長の有する土地建物などの情報を入力する事で、財務データから様々な財務診断資料を出力することができます。
経営の項目別分析
財務データより算出された健全性・収益性・成長性・規模の評価項目を同業種の財務データと対比する事で見える化されるので、経営者は自社の財務状況を頭に入れた上で活動できるようになります。
信用格付
上記の評価項目より都銀・地銀・信金それぞれのケース毎に金融機関の取引先評価の尺度である信用格付を10段階で判定します。
更に債務者区分を信用格付、貸出条件及び返済の状況等をもとに倒産危険度を判定します。
経営改善が進み信用格付が上がると、金利の引き下げ、追加融資、物的担保や個人保証の解除の可能性が高まります。
キャッシュフロー
財務データをもとにキャッシュフローを算出します。
自社株評価
業種区分と年間の売上や帳簿価額など経営に関するデータを入力すると1株当たりの評価額と自社株評価額を算出します。
自社株の評価額を知ることで、①計画的な贈与、②生前退職金を支払っての株価引き下げ、③後継者への株式の集中化への取り組み等を早期にスタートさせることができます。
相続税の算定
積極財産(預貯金や土地・建物の評価額など)と消極財産(銀行借入れなど)と相続人の内訳を入力すると、相続税の試算額が算出されます。
実際の相続税は遺産分割協議が済んで始めて確定しますが、事前に相続税の試算額を知ることは、①生前贈与の活用、②相続時精算課税制度の活用、③納税猶予・免除等に早期に取り組む面でメリットがあります。
経営者保証の解除可能性
銀行の借り入れには経営者保証が付き物であると考えている経営者が多いですが、今日では①法人と個人の資産・経理の明確な区分、②強固な財務基盤、③適時・適切な情報開示の3点が揃えば経営者保証は必要とされません。
経営者保証の解除は、円滑な事業承継実現のための重要なキーポイントの1つです。